C-OPS(次世代型水中分光放射計)
河川流入域や解氷域など光学的に複雑な表層の水循環におけるAOP(Apparent Optical Properties)を正しく測定するには、特に表層域でゆっくりと降下させる必要があります。これまでの旧来型フリーフォールタイプの水中分光放射計のほとんどは、ロケット形状しているため、外洋での鉛直方向プロファイルには適していても沿岸には不向きでしたし、船影を避けようとしても限度がありました。今回新たに、衛星海色研究者である、NASA, Stanford B. Hooker博士の下、10年の歳月を費やした新たなデザイン、凧の形状としたフリーフォールシステムが次世代型分光放射計として完成しました。
投下様態は、フレームに浮き袋を格納することにより表層では6cm/sec、その後浮き袋は水圧で徐々に圧縮され35cm/secの可変沈降速度のフリーフォールとなります。また、フレームにはピッチ角とロール角の角度調整機能を有しており、微調整することで旧来型に比べ、より傾きの少ない鉛直方向のプロファイル観測が行えます。標準のフレームには水中下向き照度EdZと水中上向き照度EuZの組み合わせ、もしくは水中下向照度Edと水中上向輝度LuZが可能です。
電気回路は、より小型化、低ノイズ化の実現の為に従来ワイヤーハーネスなどにより配線していた回路を見直し、光学系の各チャンネルをワンボード化(マイクロラジオメータ)することで大幅な改善につながりました。
フリーフォールシステムの再構築やスキャン速度の高速化、本体の小型化、多波長化で表層域での有効データ数が格段に向上しました。同時に実行精度を上げるために地上比較照度計に回転遮蔽バンド、GPS、手動式伸縮マスト等さまざまなアクセサリを用意しています。AOPの測定器として、NASAを始め世界の研究機関で使用されています。
BioSHADE+C-OPS Ed0型(回転遮蔽バンド式全天放射照度計)
BioSHADEは、水中分光放射計C-OPS型の全天照度計C-OPS Ed0型のオプションとして手軽に取り付けられる回転遮蔽バンド機構です。内蔵のステッピングモータにより遮蔽バンドを1分間に0〜180°回転させます。直達放射照度(direct
irradiance)を遮蔽したときを散乱放射照度(diffuse irradiance)とし、遮蔽されていないときの測定、全天放射照度(global
irradiance)から散乱放射照度を減ずることで直達放射照度を算出します。また、ラングレープロット法によるエアロゾルの光学的厚さの算出も行えます。
遮蔽バンドは51,200もの細かい角度ステップで可動し、照度計は15Hz以上の高速サンプリングが可能で、算出される直達放射照度は高い信頼性があります。専用のソフトウェアからリアルタイムでバンド角情報の表示やオフセット調整も行えます。C-OPSと同時に測定することで、水中のAOPの測定をする上で考慮しなければならない自己器影の補正精度を高めるために考案されました。
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