2004年のZi bordi博士らによるSeaPRISMは沿岸域におけるアルゴリズム作定に有効なプラットホームとなり得ることが証明され、それを基にNASAのHooker博士らによって発展させた次世代海色測定器、OSPREy(OpticalSensor
for Planetary Radiant Energy)に2008年から提供メーカとして参加しています。このシステムは従来の水中器による測定に代えて空中から行うもので、低価格でかつ、水中で使用されている分光放射計よりも幅広いスペクトル域(305~1,640nm)を備え、海や太陽、空、月の高品質な測定が行えます。測定の不確かさが表記され、海色衛星に対する現場データによる代替校正やアルゴリズムの検証について有効な正確さを満たしています。
C-OPSで開発されたマイクロラジオメータの構造を最大限活用し、紫外波長から可視波長、近赤外波長、中間赤外波長の帯域ではデータプロダクトの品質を高めたり、海面射出放射輝度等の衛星データプロダクトの大気補正の改善に期待されています。OSPREyは、海色衛星に対する唯一市販の現場データによる代替校正やアルゴリズム検証システムです。非常に精密なマイクロラジオメータに、測定の不確かさをさらに軽減させる為にバイオスフェリカル社のEPIC(Enhanced
Performance Instrument Class、器内温度制御等)を組み合わせたシステムです。多岐センサを使い、機器自身の性能向上及び校正の正確さを高める改良がなされました。本システムは沖合プラットホーム等への設置を目的としています。
システムの概念
OSPREyは、新しいマイクロラジオメータを基盤とした高性能なフォトダイオード式の光学機器に、市販されている回折格子方式の分光器、回転遮蔽バンド機構、オートメーション化を結合させたものです。このハイブリッドにより、紫外域から中間赤外波長までの幅広いスペクトル範囲の輝度及び照度で高分解能、高ダイナミックレンジのデータが得られます。
OSPREyは二つの分光放射計を組み合わせた物を基準としダイアド(dyad)と称しています。それぞれのダイアドは、輝度計と天空照度計の各一台から構成されています。輝度計は左右上下の制御が可能な土台に取り付けれ、太陽や空、海、月のスペクトル測定が可能です。
天空照度計には、回転遮蔽バンドを備え全天放射照度と散乱放射照度を測定します。天空輝度計は太陽追尾装置に備え付けられ、追跡と位置合わせのために太陽面を見るカメラが含まれています。これらの測定器を結合して使用することによって今まで不可能でした空中・海洋のほぼ同期のとれたパラメータを引き出すことに成功しました。例として、太陽追尾機能はサンフォトメータのデータを提供し、海面放射輝度計や沿岸域の光学的に複雑な水を測定する製品と同じように海色衛星の大気補正の改善へと期待されています。
OSPREyハイブリッド分光放射計
OSPREy分光放射計は、フォトダイオード式のマイクロラジオメータと回折格子方式の分光器のハイブリッドシステムです。温度制御されたマイクロラジオメータはスペクトル半値幅10nmの光学センサーを最大19チャンネル集積でき、紫外波長から中間赤外波長までの340~1,640nm間から選択し測定できます。OSPREy分光放射計はマイクロラジオメータの優れた技術(高ダイナミックレンジ、高安定性、低迷光、最大20Hzの高速スキャン速度など)と回折格子方式の分光器の分解能が結合しています。
回折格子方式の分光器、カールツァイス社製MMS UV-VIS IIとMMS1は、堅牢で、全ての光学構成部品はUBK7の光学レンズの本体に固く接着することで測定波長の高い安定性や信頼性を実現しています。輝度計の視野角は2.5ºでエアロゾルの光学的な厚さが正確に検証できます。照度計の集光器は2つの異なる材質を用いた新しい拡散板で、入射角感度特性は全波長帯で余弦則に従っています。マイクロラジオメータと回折格子方式の分光器は、±0.1ºC以内で温度制御します。ハウジング内には、乾燥窒素(ドライガス)で満たされ光学フィルターや電気回路の長期安定性の向上を図っています。
OSPREy照合用分光放射計
OSPREyの輝度及び照度スケールは米国国立標準技術研究所(NIST)のSIRCUS(Spectral irradiance and radiance responsivity calibrations using uniform source)設備の放射測定スケールとリンクしています。SIRCUSスケールはバイオスフェリカル社で開発された照度用と輝度用の2つのOSPREyに照合用分光放射計として値付けされます。
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