世界の貨物輸送の80%が稼働しているとすると、毎年およそ50億トンのバラスト水が遠距離を移動している計算になります。バラスト水は空荷船の安定化に役立ちますが、攻撃的な海洋種のバラスト水を介した新たな環境への進入が世界中の海洋環境ひいては人々の健康に新たな脅威となることが判ってきました。
2004年にIMO(国際海事機構)、バラスト水会議によってこの問題が取り上げられました。この会議で、68,000隻の船について2016年までに効果的で、安心なバラスト水設備が必要であると採択されました。
チェルシーグループではIMO、バラスト水管理条約の管理基準セクションD2項を遵守する為、処理システムのメーカと基準承認局とともに密接に開発しています。新しいFastBallastはFast Repetition Rate蛍光測定によってバラスト水の検査を行い、短時間で結果をモニターできるように開発された、軽量・コンパクトで強力な試験装置です。
センサは最小径10μm以上50μm未満カテゴリーの植物プランクトンをバラスト水管理条約の管理基準セクションD2項に対する検査に使用されています。2段階で構成される試験はわずか20mlのサンプルで実施可能です。しかも染色剤は不要です。まず、レベル1としてバラスト水がD2項に準拠しているかどうかの判断を2分以内に行い、レベル1で判断できない場合、詳細なレベル2に自動的に移行して8分以内で検査が完了します。
このFastBallastシステムの高ダイナミックレンジ高感度の組み合わせは、1細胞/mlという検出限界を実現し、死亡した植物プランクトンや遊離したクロロフィル、夾雑色素等に伴う高いバックグランドがあってもごくわずかの生きた植物プランクトンの検出を可能としています。
FastBallastにある4種類のLEDとして紺、青、緑、橙または赤色の発光は、IMO D2基準(1ml中の生存個体が10以下)によって必要とされる細胞密度で広範囲にわたる植物プランクトングループ(ケイ藻及び渦鞭毛藻、緑藻、シアノバクテリア、円石藻等)による蛍光の検出を可能とし、また、将来起こりうる規制変更への対応も見据えています。
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