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DST HRTはセラミック製の強固なボディに温度、心拍数の2チャンネルセンサーを内蔵した超小型データロガーです。DST HRTは心拍数を記録しますので、動物や魚類の生理学や代謝に関する研究に有効なデータを取得することができます。
心拍数センサーは本体の一部を成しており、コード等の余計な部品がついていません。さらに、セラミックと生体適合性エポキシで作られているので、防水性も兼ね備えています。容易に、そして余計な傷をつけることなく腹腔域にタグを埋め込み、測定できることが最大の特長です。
消毒、殺菌を行えば、内部バッテリーが尽きるまで何回でも計測することが可能です。測定後データを回収しないと新たな測定はできない仕様ですので、誤ってデータを消失してしまう心配はありません。
centi、milli、microの3つのサイズがあり、対象の動物・魚に最適なサイズを選ぶことができます。また、各サイズとも長期の測定にも対応できる十分なメモリ容量があります。長期計測時に内部バッテリーが尽きてしまっても、メモリ部はフラッシュメモリもしくは不揮発性EEPROMであるため、データが無くなることはありません。
測定の設定およびデータ回収は、専用のコミュニケーションボックスで行います。タグとコミュニケーションボックスが接続している間は、ボックスからタグに電源が供給されるので、長期計測後や内部バッテリーが尽きた後でもスムーズなデータ回収が可能です。設定及び解析用ソフトウェアは別売ですが、アップグレードはWeb上から無償にて行えます。対応OSは、マイクロソフト社Windows
Vista、7、8.1、10の日本語版になります。
アプリケーションとして、
●魚や海洋動物の生態調査 ●魚類学
●海洋生物学 ●動物生理学
●小動物の生態調査 ●代謝に関する研究
など様々な用途にご利用頂けます。
【心拍数測定について】
本製品は、タグを対象動物・魚の腹膜近くに埋め込む必要があります。また、設定周波数と対象の心拍数の間隔が合わずに、データをうまく取得できない場合がありますが、弊社では責任を負いかねます。弊社は動物の生態(心拍数など)には詳しくないので、観測の設定などはメーカーに問い合わせた後に回答させていただきます。ご了承ください。
【タグのサイズについて】
大型魚や体重が10kgを超える動物にタグを埋め込む際には、milliサイズもしくはcentiサイズのご使用をおすすめいたします。
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StarOddi社が公開している動画「魚にDST HRTタグを埋め込む」 |
特 徴 |
□ 3サイズ展開(centi、milli、micro) |
□ 小型・軽量(centi 19.0g、milli 11.8g、micro 3.3g) |
□ 温度・心拍数の2項目測定 |
□ 対象動物・魚への負担は最小限に抑えた設計 |
□ 生体適合性に優れた材質を使用 |
□ 大容量メモリ搭載(内部バッテリーが尽きてもデータを保持) |
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DST centi-HRT
(温度・心拍数) |
DST milli-HRT
(温度・心拍数) |
DST micro-HRT
(温度・心拍数) |
温度 |
測定範囲注1) |
+5℃〜+45℃ |
精度 |
±0.2℃ |
分解能 |
0.032℃ |
応答速度 |
12秒(63%応答) |
心拍数 |
測定周波数注2) |
100Hz、125Hz(魚用)
150Hz、200Hz、300Hz、400Hz、500Hz、600Hz、700Hz、800Hz(動物用) |
算出方法注3) |
バーストサンプリングで心拍数を測定し、
その値から1分間の平均心拍数を算出。 |
測定方法 |
魚、動物など対象の腹腔内に埋め込み |
サンプリング間隔 |
1分〜90時間(1分単位で設定可能) |
インターフェース |
RS-232C、又はUSB(USB変換コネクタケーブルを介して) |
A/D変換 |
12ビットデジタル変換 |
メモリ |
容量 |
699,000サンプル
(温度・心拍数を同時計測) |
43,690サンプル
(温度・心拍数を同時計測)
699,000サンプル
(フラッシュメモリ搭載時) |
43,690サンプル
(温度・心拍数を同時計測) |
形式 |
フラッシュメモリ |
不揮発性EEPROM
(フラッシュメモリに変更可) |
不揮発性EEPROM |
保持期間 |
25年 |
バッテリー寿命注4) |
19か月 |
8.5か月 |
3.5か月 |
内部時計 |
精度月差±1分 |
ハウジング材質 |
酸化アルミニウム |
ハウジング寸法 |
15mm(径)×46mm(長) |
13mm(径)×39.5mm(長) |
8.3mm(径)×25.4mm(長) |
重量 |
19.0g |
11.8g |
3.3g |
取り付け穴 |
0.9mm |
0.9mm |
0.5mm |
対応ソフト注5) |
Mercury |
注1) 温度は+5℃以下の校正も、オプションで承っております。なお、+45℃以上の校正は承っておりません。 |
注2) 測定の設定を行う時に、ソフトウェアで設定します。大型魚の心拍数計測では、動物用の設定を使用することもあります。 |
注3) ソフトウェア上で自動的に算出されます。 |
注4) サンプリング間隔を10分以上に指定し、温度および心拍数を同時に記録した場合になります。なお、電池交換はできません。 |
注5) 現在対応しているソフトはMercuryのみです。SeaStarでは設定およびデータ回収はできません。 |

(Mercury)
Mercuryソフトウェアは、DSTシリーズの中でcenti-T、milli-T、micro-T、nano-Tおよびmilli-HRT、micro-HRTタグの設定及び解析が行えます。サンプリング間隔は常に一定、或いは複数のサンプリング間隔を組み合わせる、マルチプルインターバルの二通りの方法があります。後者は最大7通りのサンプリング間隔が設定でき、季節変動など周期性のあるのものに使うと便利です。
新たに必要なデータを優先的にメモリに保存するプライマリー機能が加わりました。これは例えば、温度・心拍数の2項目から温度を優先して温度データ10回に心拍数データ1回とすることで従来の1.8倍計測時間を延長するものです。
主な機能
●二通りのサンプリング間隔
●複数のデータ保持方法
●オフセット値の変更
●グラフ表示機能
など
計測されたデータは、コンピュータにダウンロードされない限り新規に設定はできませんので、うっかりミスによる喪失はありません。ダウンロードされたデータは自動的にハードディスクに保存され、ファイル名は記録回数で制御されますので、名前の重複はありません。また、グラフは、ビットマップファイル(bmp)やウィンドウズメタファイル(wmf)方式で保存できます。
SeaStarでは、計測の設定およびデータの回収はできません。
ソフトウェアアップデート
※オリジナルのソフトウェアがインストールされていることが条件になります。
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DSTシリーズのタグとコンピュータ間の通信は、右図のコミュニケーションボックスを介して設定及びデータ回収を行います。コミュニケーションボックスは、タグの直径に合わせて次の四種類を用意してあります。
●タグ径6mm用(DST nano用)
●タグ径8.3mm用(DST micro用)
●タグ径13mm用(DST milli用)
●タグ径15mm用(DST centi用)
本製品のご利用には、タグのサイズに合わせたmicro用/milli用/centi用いずれかのコミュニケーションボックスが必要です。サイズが異なるコミュニケーションボックスでは通信できません。
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本製品についてのお問い合わせ・お見積りの作成は、お電話・メールで承っております。
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